「既読スルー」「グループ外し」――LINEの友達トラブル、どう乗りこえる?
「既読スルー」「グループ外し」――LINEの友達トラブル、どう乗りこえる?
既読がついたのに返事がない。気づいたらグループから外されていた。LINEがきっかけで友達関係がこわれてしまう前に、知っておきたいことがあります。
「既読スルー」で友達関係がギクシャク?
中学生になると、多くの人がLINEを使い始めます。10代のLINE利用率は9割以上。友達との連絡、部活の連絡網、クラスのグループなど、毎日のように使っているのではないでしょうか。
しかし、便利なLINEがきっかけで友達関係がこわれてしまうケースが増えています。中でも特に多いのが「既読スルー(既読無視)」をめぐるトラブルです。
「既読」がついたのに返事がこない。それだけで「無視された」「嫌われたのかも」と不安になったことはありませんか?
💡 知っておこう
ニフティキッズの調査によると、LINEなどのグループチャットに入っている中学生は62%。そのうち約3割がグループ内で何らかの嫌な出来事を経験しています。「既読無視」や「グループに招待されない」といったトラブルは、中学生で増加傾向にあります。

よくあるトラブルパターン5選
実際に中学生の間で起きているLINEトラブルを見てみましょう。あなたの周りでも起きていませんか?
パターン① 既読スルーで学校で無視される
LINEで既読をつけたのに返信しなかったことがきっかけで、翌日から学校で無視されるようになるケースです。
📱 こんなことが起きています
夜、友達からLINEが来たけれど、もう眠かったのでそのまま寝てしまった。翌朝、学校に行くと「なんで返事くれなかったの?」と冷たい態度をとられた。その日から、その友達のグループに入れてもらえなくなった。
大人でも「忙しかったんだな」と理解できますが、中学生ではまだ「相手にも事情がある」と想像する余裕がないことも多いのです。
パターン② 「本人外し」のグループを作る
ある日、仲良しグループの1人を外した新しいグループが作られる。そこでは外された子の悪口が飛び交う――。これは中学生の間で非常に多いパターンです。
🚨 実際にあった事件
石川県の中学1年生の女子生徒が、同級生からLINEグループから外されるなど29の行為をいじめと認定されました。この生徒はいじめを苦に自ら命を絶ち、ご両親が市を提訴する事態になっています(2024年報道)。「グループ外し」は、遊びや冗談では済まされない深刻な問題です。
パターン③ クラスLINEで一部の人だけで話が進む
文化祭の出し物をクラスLINEで話し合っていたのに、夜の間に一部のメンバーだけで決まってしまった。見ていなかった人は蚊帳の外。「なんで勝手に決めたの?」ともめるきっかけになります。
パターン④ スクリーンショットを拡散される
友達に送った個人的なメッセージのスクリーンショット(スクショ)が、知らないうちに別のグループで共有されていた。文脈なしで切り取られると、まったく違う意味に受け取られてしまうこともあります。
パターン⑤ 文字だけのやりとりで誤解が生まれる
📱 よくある誤解の例
Aさん「明日の集合場所、駅でいい?」
Bさん「いいよ」
Aさん(え、なんか冷たくない? 怒ってる?)
実際のBさん(授業中で急いで返しただけなのに……)
対面なら表情や声のトーンで伝わることが、文字だけだと伝わりません。短い返事が「怒っている」と受け取られたり、冗談のつもりが本気に思われたりすることは、大人でもよくあることです。

なぜLINEでトラブルが起きやすいのか?
理由① 24時間つながり続けるプレッシャー
LINEは学校が終わっても、休日でも、夜中でも通知が届きます。「すぐに返信しなければ」という見えないプレッシャーが、知らず知らずのうちにストレスになっています。
理由② 「既読」機能が不安をあおる
LINEの「既読」機能は、もともと2011年の東日本大震災がきっかけで作られました。被災地で「メッセージを読んでくれた=無事だ」と確認するための機能だったのです。
しかし、日常のやりとりでは「読んだのに返事をくれない」という監視のツールになってしまっている面があります。
理由③ 表情が見えないコミュニケーション
対面の会話では、言葉以外の情報が約65%を占めると言われています。表情、声のトーン、身振り手振り。LINEではこれらがすべて失われるため、誤解が生まれやすいのです。
理由④ 集団心理が働きやすい
グループLINEでは、誰かが悪口を書き始めると「自分も同調しないと外される」と感じて、一緒になって書き込んでしまうことがあります。1対1ならやらないことでも、集団になると罪悪感が薄れてしまうのです。
トラブルに巻きこまれないための7つのルール
🛡️ 自分を守るルール
① 返信は「できるときに」でOK
すぐに返さなくても大丈夫。「あとで返すね」の一言を添えるだけでも印象は変わります。
② 大事な話は直接会って話す
文字では伝わらないことがたくさんあります。もめそうだと感じたら、対面で話しましょう。
③ スクショを安易に共有しない
友達のメッセージを他の人に見せるのは、手紙を勝手に読まれるのと同じこと。信頼を壊します。
④ 「送信前に3秒待つ」を習慣にする
怒りや衝動で書いたメッセージは、3秒待ってから見直しましょう。送信取消しても相手はすでに読んでいるかもしれません。
⑤ 通知をオフにする勇気を持つ
グループの通知が多すぎるときは、通知オフにしても問題ありません。自分のペースを大事にしましょう。
⑥ 誰かを外すグループには加わらない
「本人外し」のグループに誘われたら、参加しないという選択を。自分がされたらどう思うかを考えましょう。
⑦ つらいときは、大人に相談する
「チクるのはダサい」と思うかもしれません。でも、LINEのトラブルがいじめに発展して、取り返しがつかなくなるケースは実際に起きています。

もし被害を受けたら? 具体的な対処法
ステップ① 証拠を残す
LINEのトーク画面は、加害者が送信取消やトークルーム削除で証拠を消すことができます。嫌なメッセージやグループでのやりとりは、すぐにスクリーンショットで保存しましょう。日時が写るようにするのがポイントです。
ステップ② 信頼できる大人に話す
親、担任の先生、スクールカウンセラーなど、信頼できる大人に相談しましょう。自分だけで抱え込む必要はありません。
ステップ③ 相談窓口を使う
📞 相談できる場所
・24時間子供SOSダイヤル:0120-0-78310(なやみ言おう)
・チャイルドライン:0120-99-7777(18歳まで)
・法務局の子どもの人権110番:0120-007-110
・こたエール(東京都):ネットトラブルの相談に特化した窓口
電話が苦手なら、LINEやチャットで相談できる窓口もあります。
ステップ④ ひどい場合は法律で守られる
LINEでの誹謗中傷やグループでの集団無視は、「いじめ防止対策推進法」で定められた「いじめ」に該当します。内容によっては名誉毀損罪や侮辱罪が成立する場合もあります。「LINEだから」「ネットだから」と軽く見てはいけません。
加害者にならないために
自分が「いじめている」つもりがなくても、相手にとっては深刻なダメージになることがあります。
⚠️ こんな行動、していませんか?
・特定の人のメッセージだけ、みんなで無視する
・「〇〇ちゃんうざくない?」とグループで同調を求める
・誰かを外した新しいグループを作る
・友達のスクショを別のグループで晒す
・スタンプの間に「し」「ね」をはさむような間接的な攻撃
これらはすべていじめに該当する可能性があります。軽い気持ちでも、相手の心には深い傷が残ります。
もしグループ内で誰かがいじめられているのを見たら、直接注意できなくても、信頼できる大人に伝えることが大きな一歩です。「見て見ぬふり」は、いじめに加担しているのと同じです。
LINEともっと上手につき合おう
LINEは便利なツールです。友達との楽しい会話、部活の連絡、情報共有。うまく使えば生活を豊かにしてくれます。
大事なのは、LINEに振り回されるのではなく、自分がLINEをコントロールすること。返信のタイミングも、通知のオン・オフも、グループへの参加も、すべて自分で決めていいのです。
そして、もしLINEで嫌な思いをしたら、我慢しないでください。あなたが悪いのではありません。
📌 この記事のポイント
・「既読スルー」は悪いことではない。返信は「できるときに」でOK
・「グループ外し」は冗談では済まない。いじめとして法律で罰せられることもある
・文字だけのコミュニケーションは誤解が生まれやすい。大事な話は直接会って
・嫌なことをされたら証拠を残して、信頼できる大人に相談する
・「見て見ぬふり」をしないことが、誰かを救う第一歩になる