サイバー犯罪の被害に遭ったら ― 相談先と手順まとめ
サイバー犯罪の被害に遭ったら ― 相談先と手順まとめ
アカウントを乗っ取られた、フィッシング詐欺でクレジットカード情報を入力してしまった、身に覚えのない請求が来た。パニックにならず、正しい順番で行動するためのガイド。
まず冷静に ― パニックこそ最大の敵
サイバー犯罪の被害に気づいたとき、最も大切なのは冷静になることである。焦って間違った行動(怪しいメールに返信する、犯人に連絡する等)をとると、被害が拡大する。この記事に書かれた手順を上から順にたどれば、最小限の被害で対処できる。
被害の種類別:最初にやるべきこと
① アカウントが乗っ取られた(SNS・メール等)
✅ 即座にやるべきこと:
・パスワードを変更する(ログインできる場合)。変更後、すべてのデバイスから強制ログアウトする
・ログインできない場合は、各サービスの「アカウント復旧」ページから手続きする
・同じパスワードを使っている他のサービスのパスワードもすべて変更する
・2段階認証が未設定なら、復旧後に必ず設定する
・乗っ取り中に送信されたメッセージがないか確認し、知人に注意喚起する
② フィッシング詐欺でID/パスワードを入力してしまった
✅ 即座にやるべきこと:
・入力してしまったサービスのパスワードを直ちに変更する
・同じパスワードを使っている他のサービスも変更する
・クレジットカード情報を入力した場合は、カード会社に電話して利用停止する(カード裏面の番号に連絡)
・銀行口座情報を入力した場合は、銀行に電話して口座の一時凍結を依頼する
③ 身に覚えのない請求・課金が発生した
✅ 即座にやるべきこと:
・請求元のサービスに身に覚えがない旨を連絡し、取り消しを依頼する
・クレジットカード明細を確認し、不正利用があればカード会社に不正利用の申告をする
・Apple ID / Googleアカウントの課金履歴を確認し、不審なサブスクリプションを解約する
・スクリーンショットで証拠を保存する
④ 脅迫・恐喝メッセージを受け取った
❌ 絶対にやってはいけないこと:
・要求に応じてお金を払う(払っても脅迫は止まらない)
・犯人に直接返信する
・要求された画像や個人情報を送る
✅ やるべきこと:
・メッセージのスクリーンショットを保存する(日時・送信者が分かるように)
・親または信頼できる大人に相談する
・警察のサイバー犯罪相談窓口に連絡する
相談先一覧 ― どこに何を相談するか
📞 警察相談専用電話 #9110
緊急性がない相談全般。サイバー犯罪に限らず、「犯罪かどうか分からない」段階でも相談できる。平日8:30〜17:15(都道府県により異なる)。
🌐 都道府県警察サイバー犯罪相談窓口
各都道府県警にサイバー犯罪専門の相談窓口がある。フィッシング、不正アクセス、ネット詐欺など。警察庁サイトから最寄りの窓口を検索できる。
📱 国民生活センター 消費者ホットライン 188
ネット通販トラブル、ワンクリック詐欺、身に覚えのない請求など消費者トラブル全般。局番なしの「188(いやや)」で最寄りの消費生活センターにつながる。
🏛️ 違法・有害情報相談センター
総務省の委託事業。ネット上の誹謗中傷、リベンジポルノ、違法情報について相談できる。メールでの相談に対応。
⚖️ 法テラス(日本司法支援センター)0570-078374
弁護士への相談が必要だが費用が心配な場合。収入要件を満たせば無料で弁護士に相談できる。平日9:00〜21:00、土曜9:00〜17:00。
👤 法務省 人権相談ダイヤル 0570-003-110
ネット上の誹謗中傷、プライバシー侵害など人権侵害に関する相談。平日8:30〜17:15。
被害の種類別:最適な相談先チャート
| 被害の内容 | 最初の相談先 | 補足 |
|---|---|---|
| アカウント乗っ取り | 各サービスのサポート → 警察 #9110 | まずアカウント復旧を試み、不正利用があれば警察に相談 |
| フィッシング詐欺で情報入力 | カード会社 / 銀行 → 警察 | 金銭被害がある場合は最優先でカード停止 |
| ネット通販の詐欺 | 消費者ホットライン 188 | 代金を払ったが商品が届かない、偽物が届いた等 |
| 誹謗中傷の被害 | 法務省 0570-003-110 / 弁護士 | 証拠保全が最優先。発信者情報開示請求を検討 |
| 脅迫・恐喝 | 警察 110番(緊急時)/ #9110 | 身の危険を感じたら迷わず110番 |
| リベンジポルノ | 違法・有害情報相談センター → 警察 | リベンジポルノ防止法で刑事罰の対象 |
| ワンクリック詐欺 | 消費者ホットライン 188 | 基本的に無視してよい。絶対に料金を支払わない |
証拠を残すことが最も重要
サイバー犯罪の捜査や法的手続きでは、証拠がすべてである。被害に気づいたらすぐに以下の証拠を保全しよう。
📸 保全すべき証拠リスト:
・問題の投稿・メッセージのスクリーンショット(URL・日時・送信者名が見える状態で)
・フィッシングメールの場合はメール全体(ヘッダー情報含む)を保存
・不正な請求の明細書・領収書のスクリーンショット
・電話でのやり取りがあった場合は日時・内容のメモ
・被害に気づいた経緯と時系列を文書で記録しておく
「自分が悪い」と思い込まないで
サイバー犯罪の被害者、特に高校生は、「自分が騙されるのが悪い」「恥ずかしくて相談できない」と感じて被害を隠そうとすることがある。しかし、犯罪の責任は常に加害者にある。フィッシング詐欺のメールを開いてしまったのも、怪しいサイトにパスワードを入力してしまったのも、騙す側が巧妙だからこそ起きたことだ。
被害を隠せば隠すほど、対応が遅れて被害が拡大する。「親に怒られるかも」と思うかもしれないが、早めに相談することが被害を最小限に抑える唯一の方法である。
⚠️ 特に注意すべき「二次被害」:
・「被害を解決します」と称して金銭を要求する偽の解決業者が存在する
・SNSで「助けてあげる」というDMが来ても応じない
・相談は必ず公的機関(警察・消費者センター)または正規の弁護士に行う
📌 この記事のポイント
・被害に気づいたらまず冷静に。パスワード変更・カード停止など初動対応を最優先
・被害の種類によって相談先が異なる。金銭被害→カード会社/銀行、誹謗中傷→法務省/弁護士、犯罪→警察
・証拠(スクリーンショット・メール・明細)を即座に保全する
・「自分が悪い」と思わず、親や信頼できる大人に早めに相談する
・偽の解決業者に注意。相談は公的機関または正規の弁護士のみ