【中学生向け】スクショを送っただけでもダメ? 「見せただけ」「送っただけ」が加害になる理由
スクショを送っただけでもダメ? 「見せただけ」「送っただけ」が加害になる理由
友達のLINE、面白い投稿、気まずいやりとり。スクショして誰かに見せたこと、ありませんか?
「自分は何もしてない。送っただけ」
クラスのグループLINEで誰かがちょっと変なことを言った。面白いと思ってスクショを撮って、別のグループに送った。みんなで笑った。それだけ。
悪口を書いたのは自分じゃない。写真を撮ったのも自分じゃない。自分はただ「送っただけ」。
でも、ちょっと待ってください。
総務省の調査(2024年)で中学生にインタビューしたところ、「やりとりしていたトークをスクリーンショットされ、グループLINEでシェアされていた」というトラブルが実際に報告されています。被害を受けた側にとっては、最初に書いた人よりも、それを広めた人のほうがショックだったと答えるケースも少なくありません。
なぜなら、「この人なら大丈夫」と思って話した内容を、信頼を裏切って広めたからです。

「あるある」で始まる5つの拡散パターン
パターン① LINEのやりとりを別グループに転送
📱 こんなふうに始まる
友達Aとの1対1のLINEで、Aが「実は〇〇のこと好き」と打ち明けてくれた。面白くてつい、仲良しグループにスクショを送ってしまった。
→ グループの誰かがさらに別の人に転送。翌日にはクラス中が知ることに。Aは不登校になった。
「ここだけの話」をスクショした瞬間、それはもう「ここだけ」ではなくなります。
パターン② 面白い失敗動画・変顔写真のシェア
📱 こんなふうに始まる
体育の時間に友達が転んだ瞬間を動画に撮った。仲間内で見せて笑っていた。「面白いから」とTikTokに投稿した人がいた。
→ 動画がバズって知らない人にまで見られるように。撮られた本人は「晒された」と泣いていた。
パターン③ ケンカの証拠として第三者に見せる
📱 こんなふうに始まる
友達とケンカした。相手がひどいことを言ったのを証明するために、トーク画面をスクショして他の友達に見せた。「ほら、こんなこと言われたんだよ」
→ 一方的なやりとりだけが広まり、相手が「悪者」にされてしまった。文脈が切り取られて、実際とは違う印象になっていた。
パターン④ 「晒し」目的のスクショ共有
📱 こんなふうに始まる
気に入らない子のSNS投稿やプロフィールをスクショして、裏アカや別のグループで「これ見てwww」と共有。
→ 本人がそれを知って深く傷つく。場合によってはいじめとして学校問題に発展。
パターン⑤ 善意のつもりの「拡散希望」
📱 こんなふうに始まる
「〇〇さんが行方不明です!見かけたら連絡を」という投稿を見つけて善意でリツイート。
→ 実はデマだった。あるいは、すでに解決済みなのに古い情報が拡散され続けて、本人や家族が困っていた。

なぜ「送っただけ」でも加害になるのか
理由① あなたが広げなければ、そこで止まっていた
最初に何かを書いた人、撮った人にも責任はあります。でも、あなたが誰かに送らなければ、その情報は広まらなかった。拡散の「起点」になった人の責任は重いのです。
理由② ネットでは「回収」ができない
口で言った悪口は、時間がたてば薄れます。でもスクショは証拠として残り続けます。送った相手がさらに別の人に送れば、もう誰にも止められません。一度広まった情報は「なかったこと」にできないのです。
理由③ 「文脈」が消えて「切り取り」だけが広まる
会話には流れがあります。冗談の前後、皮肉のニュアンス、ケンカの経緯。でもスクショはその一瞬だけを切り取ります。読む人は前後の事情を知らないので、実際とはまったく違う印象になることがあります。
理由④ 被害者にとっては「誰が広めたか」が一番ショック
考えてみてください。あなたが信頼している友達に打ち明けた秘密が、翌日クラス中に知られていたら? 一番つらいのは「秘密がバレたこと」ではなく、「信頼していた人に裏切られたこと」です。
法律ではどうなる?
⚖️ 「送っただけ」でも問われる可能性がある法的責任
・名誉毀損罪:他人の社会的評価を下げる情報を広めた場合(たとえ事実でも成立する可能性あり)
・侮辱罪:人を馬鹿にしたり見下したりする内容を広めた場合(2022年の法改正で厳罰化)
・肖像権・プライバシーの侵害:許可なく他人の写真や個人的なやりとりを公開した場合
・児童ポルノ禁止法:未成年の裸や下着姿の画像を送った場合(「もらっただけ」でも所持で違法)
「最初に書いた人が悪い」は通用しません。拡散した人も、法的に同等の責任を問われることがあります。
「自分もやってしまったかも」と思ったら
ここまで読んで、「自分もスクショ送ったことある…」と思った人は多いのではないでしょうか。
大丈夫です。大事なのはこれからどうするかです。
✅ 今日からできること
① スクショを撮る前に「これ、送っていい?」と考える
一瞬だけ立ち止まる。「本人がこのスクショを見たらどう思うか?」を想像するだけで、行動は変わります。
② 「ここだけの話」は本当にここだけにする
誰かに秘密を打ち明けられたら、それは「信頼の証」。スクショして広めるのは信頼を踏みにじる行為です。
③ 「面白いから」は理由にならない
みんなが笑っても、撮られた本人が笑っていなければ、それは「面白い」ではなく「晒し」です。
④ 回ってきたスクショを「止める」勇気を持つ
誰かがスクショを送ってきたとき、さらに別の人に転送しない。「これ、本人に悪くない?」と言えたら、それだけで拡散は止まります。
⑤ どうしても見せたいなら、本人に許可を取る
面白い投稿、かわいい写真、友達の名言。共有したいなら、まず本人に「これ、〇〇に見せてもいい?」と聞くだけです。

「回す側」にならないための心がまえ
ネットのトラブルでは、「最初にやった人」だけが悪者になりがちです。でも実際には、「広めた人たち」の存在がなければ、被害はずっと小さかったはずです。
いじめも同じです。直接悪口を言った人だけが加害者なのではなく、それを見て笑った人、スクショで広めた人、黙って見ていた人も、被害者から見れば全員が「加害の一部」です。
💭 3つの質問を自分に問いかけよう
① 「もし自分のやりとりが広められたら?」
自分が言った冗談、恥ずかしい失敗、友達への愚痴。それがクラス中に広まったら、どんな気持ちになる?
② 「この人の許可を取っているか?」
スクショに写っている人は、それが広まることを知っているか? 許可していないなら、送るべきではありません。
③ 「自分がいなくても広まったか?」
もしあなたが送らなければ、その情報はその場で止まっていた。あなたの「送信」ボタンが、誰かの1日を壊すかもしれません。
📌 この記事のポイント
・「送っただけ」「見せただけ」でも拡散に加担した責任が生じる
・スクショは文脈を切り取るため、実際とは違う印象で広まることがある
・被害者が一番ショックを受けるのは「信頼していた人に広められたこと」
・名誉毀損罪・侮辱罪・肖像権侵害など、法的責任を問われることがある
・スクショを撮る前に「本人がこれを見たらどう思うか」を想像する
・回ってきたスクショを「止める」勇気が、拡散を防ぐ